11月8日 晴れ
「玳瑁螺鈿八角箱」
今年も「正倉院展」に行ってきました。
70回目を迎える今回は、平成最後の開催となります。
約9000件の宝物の中から56件が展示されていました。
近鉄奈良駅から東へ約15分。
右手に興福寺(阿修羅像で有名です)を見ながら、緩やかな坂道をゆっくり歩けば
会場の奈良国立博物館に着きます。
旦那様が元気な時は、よく二人で観に行っていました。
病に倒れてからは、暫く遠のいていましたが
また最近、仲良しのお友達と観に行くようになりました。
どんなに忙しくても、この展示会だけは外せません。
~~1300年前の“時間旅行”~~
毎年、胸を躍らせて会場へ向かいます。
「玳瑁螺鈿八角箱」や「平螺鈿八角鏡」をはじめ
聖武天皇ご遺愛の品々はどれも気品に満ち溢れています。
古の宝物が放つ崇高な美しさ、その技術の素晴らしさ・・!!
名工達の指先の動き、刃先の鋭さ、息づかいまでもが伝わってくるようです。
まさに至宝の逸品と言えるでしょう。
高松塚古墳壁画に描かれた女性用の巻きスカートのような衣装も華やかでした!!
天平の風を受けて優雅になびくその姿を想像すると、采女達の澄んだ声と衣擦れの音が聞こえて来そうです。
また、光明皇后が履いたと思われる刺繍飾りの室内履きも、とても可愛らしいのです。
足元のおしゃれも楽しんでいたのですねっ!!
因みに、光明皇后は大化の改新で有名な藤原鎌足の孫、
夫君である聖武天皇は、天武天皇、持統天皇夫妻のひ孫ですよね。
これって、凄いですーーーーっ!!
8世紀の空気に直に触れていた名品の数々を
21世紀の私達が今こうして間近に観ることができるのです。
こんな嬉しいことはありません。感激です!!
ご存知の通り、「正倉院宝物」は聖武天皇崩御を悲しんだ光明皇后が
四十九日法要の際、東大寺の大仏に献納したのが始まりです。
< よくぞ残してくださった!! >
と、今年も光明皇后に感謝しながら会場を後にしました。
来年はどんな名品に出会えるのでしょう。とても楽しみです。
帰りに立ち寄った興福寺の五重塔と落慶法要を終えたばかりの中金堂。
雲ひとつない爽やかな秋空に美しくそびえ立っていました。