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動く人形【球体関節人形】②
4月12日 晴れ
全長120cmの大きな球体関節人形です。
指の関節も動きます。
<川﨑裕子人形写真集【夜想曲】掲載作品
2000年、大阪心斎橋ギャラリーにて展示会を開催した時の作品です。
この頃は「三つ折れ球体関節」や「胴体2分割球体関節」などあらゆる動きを想定しながら
削っては組み立て、組み立ててはまた削りを繰り返し、毎日制作に没頭していました。
<この時間、実は至福の時なのです!!>
~他の作家さまもきっと共感してくださるのでは?~
動きを滑らかにする為の試行錯誤や制作工程の面白さが
「球体関節人形」の醍醐味なのかも知れません。
動く人形【球体関節人形】①
4月6日 晴れ
新しい技法に挑戦する時のワクワク感は何物にも代え難く、本当に愉しいものです。
少し時間を戻しますが・・・当時制作していた作品をご紹介致します。
初めて作った【球体関節人形】です。全長50cm(1992~3年頃)
首、肩、肘、腰、膝、手首、足首、主要な関節がすべて自由に動き、多様なポージングが可能
更に、この様な小さな足でも支え(スタンド)無しでしっかり自立します。
今では当たり前のように多くの作家さんが作られていますが
当時は実に画期的で、作家魂を揺さぶる魅力的な技法でした。
「自立して、関節が自由に動く~っ!!」
思わず感嘆の声を上げるほど、完成時は新鮮な感動を覚えました。
「この感動を生徒にも味わってもらいたい!!」
早速、粘土協会の本部教室で特別講習を企画
講師資格を有する生徒に声をかけて希望者を募り、作り方を詳しく伝授しました。
<1994年「ひかりのくに」から出版された「紙ねんど人形」にも
この球体の埋め方をざっくりですが解説しています>
次の時代へ
3月31日 晴れ
粘土人形の世界にもどんどん新しい技法が取り入れられ
驚くほどの速さで進化していきました。
各関節に球体を埋め込み、自由な動きを可能にする「球体関節人形」
縮緬を粘土の表面に貼り、柔らかさと温かみを醸し出す「縮緬貼り人形」
江戸時代から続く技法を取り入れた、膝を曲げて正座する「三つ折れ人形」
液状粘土を鋳型に流し、高温で焼成する磁器人形「ビスクドール」
液状粘土をレースに浸して焼成する磁器人形「レースドール」などなど・・・
すそ野の広がりと共に、各自がそれぞれ自分に合った技法で
【創作人形】という新しいジャンルを確固たるステージへと確立させていきました。
1999年、東京・六本木のストライプハウス美術館で行われた
ドール・フォーラム・ジャパン主催の「新世紀人形展」では
日本のみならず海外からも多くの作家が参加され、多種多様な人形が展示されました。
表現の多様性を目の当たりにし、「人形」が放つ、とてつもないエネルギーに
新時代への突入を直に感じ取ることができました。
そのエネルギーの源となる<情熱>と<探求心>を内包しつつ、
多くの作家が、己を磨き、修練を重ね、切磋琢磨しながら
【創作人形】を更なる高みへと押し上げていきました。
そして・・・
10年後の2009年、東京丸の内オアゾ 丸善本店4Fギャラリーで行われた
ドルスバラード主催、HAZEKIoffice企画の「世界創作人形展」では
再び欧米の人形作家が多数招かれ、日本の作家達との交流で、
言葉の壁を越えて共鳴しあい、理解を深め、「想い」をひとつにすることができました。
これら2つの展示会に参加させていただいたことは、私にとって、学びの多い有意義なものでした。
<それぞれの展示会に発行された冊子>
<海外作家作品のDM>
最後の全国作品展
3月21日 晴れ
出品作品【ディオニュソス】ギリシャ神話より
川﨑裕子人形写真集【夜想曲】掲載作品
1996年、第6回が最後の全国作品展となりました。
初出品した【倭建命】から11年が経過していました。
新大阪の大会場で、全国から集まった沢山の人形を初めて見た時の驚きが思い出され
感慨深く、胸に迫るものがありました。
また、協会本部教室も終了となり、粘土人形黎明期の大きな波を越え
次の時代へと進む新しい変化を肌で感じる事となりました。
大地シリーズ
3月9日 晴れ
「都会の喧騒から遠く離れた母なる大地に想いを寄せるとき、
連綿と受け継がれた生命の歴史に畏敬の念を抱きます。
じっと見続けてきた太陽のように、生命を守りつぐのが女と思うのです。」
1994年刊行「ひかりのくに」出版【紙ねんど人形】より
当時、「ひかりのくに」出版から多数の粘土関係本が発行されていました。
これは、その中の1冊に掲載された作品【落日のナイル】【モロッコの微風】
に添えた私のコメントです。
女性の逞しさ、芯の強さを表現しました。
これら大地シリーズは全て油絵の具を使用しています。
作品のテーマに合わせ、絵の具選びはとても大切だと思っています。
「レリーフ」の背景にはサンドマチエール(画材用の砂)を使用し
絵の具と混ぜ合わせ立体感を持たせました。
油絵の具ならではの試みです。
参考にしていただければ幸いです。