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「ブックカバー」5日目
5月18日 晴れ時々曇り
<<置かれた場所で咲きなさい>>
渡辺和子著 幻冬舎文庫
今日はがらりと変わって「渡辺和子」氏をご紹介します。
~~置かれた場所で咲きなさい~~
この言葉に私はどれほど助けられ、勇気をもらったことでしょう!
今まで築いてきたキャリアも全て封印し、夫の病と闘っていた時、
この「本」に出会い、氏の数々の言葉に癒され、導かれ、
自分に与えられた“命”の意味を自然に理解する事ができたのです。
私の『座右の銘』になっています。
前回お伝えした通り、2000年頃から「和」を中心に制作するようになり、
地元大阪から東京、海外へと活動範囲を徐々に広げて行きました。
東京での展示会は、素晴らしい作家さん達の集まりで、
大変実りの多いものでした。
そこで、素晴らしい「ビスクドール」と出会ったのです。
<<作りたい!!!!>>
一度火が付くともう止められません。
この頃元気だった夫の応援もあって、東京まで通いました。
新しい技術を習得する楽しさは何ものにも代えられません。
次のステップへと胸を躍らせ、夢中で学びました。
が・・・・・
全てが変わりました。
そして・・・・
人形の扉を全て閉じました。
不思議な程、何の躊躇いもなく、すんなり・・・自然に・・・・
この「本」で渡辺和子氏は言っています。
<自分のいのちに意味を与えることで、苦しい状況でも生きてゆくことができる>
そして、
<人は「愛する人のために生きたい」と、思うことで強くなれる>と・・・・
「ブックカバー」4日目
5月17日 曇りのち晴れ
<<江戸の誘惑>>
~ボストン美術館所蔵 肉筆浮世絵展~
4日目の今日は江戸情緒たっぷりの「浮世絵」です。
36~7年前になるでしょうか。
粘土に出会う1年程前の事です。
大阪心斎橋にある百貨店で「肉筆浮世絵名作展」がありました。
そこで見た葛飾北斎の「美人夏姿図」と「七夕図」に目を奪われました。
<絶品!!>
版画にはない、自由で伸びやかな筆の流れと、美しく、しなやかなフォルム。
富嶽三十六景とは全く違った北斎を知り、すっかりファンになってしまいました。

美人夏姿図

七夕図
その後、粘土に出会い、人形にのめり込む事になるわけですが
海外に出展する機会が増えたこともあり、2000年頃から「和」を作り始め
もう一度日本の文化を見直そうと思うようになりました。
人形用の和裁を習い、着付け教室にも通いました。
着物は日本が誇るべき文化そのもの。
知れば知るほどその奥深さに驚かされ
如何に自分が無知だったかを思い知らされました。
「和」は今まで作ってきた体形と真逆のフォルム。
骨格そのものが違っているのです。
その切り替えに苦労しました。
ちょうどそんな時、神戸市立博物館で
<江戸の誘惑>「ボストン美術館所蔵 肉筆浮世絵展」があったのです。
胸を躍らせて観に行ったのは言うまでもありません。
なんて“粋”なのでしょう!!
江戸の先人達が「浮世絵」という『宝』を残してくれています。
私達は、なんて“幸せ”なのでしょう!!
北斎から・・歌麿から・・学ぶべきことが山ほどあります。
<これからも、ず~っと・・・・ず~っと・・・・>
「ブックカバー」3日目
5月16日 雨
三日目の今日は
フランスの女性彫刻家「カミーユ・クローデル」をご紹介します。
人形を始めて3~4年位でしょうか。
当時私は、ミケランジェロやベルニーニに憧れて
ギリシャ彫刻風の作品作りに夢中になっていました。
そんな矢先、TVで女性彫刻家「カミーユ・クローデル」が紹介され
展覧会の案内があり観に行きました。
彫刻家ロダンの優れた内弟子としてその制作に協力し、
天性の才能を発揮した彼女は、自らもモデルとなり、
ロダンと共に優れた作品を数多く残しました。
ロダンとカミーユ、二人が出会った時、ロダン43歳、カミーユ18歳でした。
その後、愛と苦悩の生活が彼女を襲います。
そして、悲劇的な最期で人生の幕を閉じました。
作品の全てにそれらが垣間見え、見ていて苦しくなるほどでした。
作品というのは
作家の内面をそのまま映し出す「鏡」なのだと、痛感させられた展覧会でもありました。
ロダンとカミーユ、よく似た作品が幾つかあります。
なかなか意味深いですよ。
興味のある方は比べてみるのも面白いと思います。
さて・・・この場をお借りして
当時、ギリシャ彫刻に憧れて作った懐かしい作品も、
このブログをご覧の皆様にご紹介したいと思います。
楽しんで頂けたら幸せです。
「ブックカバー」2日目
5月15日 晴れ
今日は2日目です。
その前に・・・
バトンが来た時、勘違いをして数冊の本を紹介してしまったと言いました。
因みにどんな本だったのか、
このブログを読んでくださっている皆様にもその一部をご紹介したいと思います。
井沢元彦氏「逆説の日本史」(本棚の一部)
「万葉集」「柿本人麻呂・いろは歌の謎」「日本書紀」
堅いですねぇ~!(それぞれに思い入れがあるのですが・・・)
ヤバイです!!(これでは殆どの人が引いてしまいます・・)
そこで・・・
「人生に影響を与えた本」をテーマに「日出処の天子」からスタートした訳です。
前置きが長くなってしまいましたね。
2日目の紹介に戻ります。
1984年、36年前の秋、粘土に出会う直前の事です。
京都国立博物館で、
「近世日本の絵画 京都画派の活躍」の特別展覧会がありました。
教科書などで誰もが一度は目にしてるであろう俵屋宗達の「風神雷神図」をはじめ
尾形光琳、円山応挙、池大雅、酒井抱一等々、そうそうたる画家達の展覧会でした。
「本物」が放つオーラに感心しながら順路に沿って観ていった時
とんでもない凄い絵が目に飛び込んできました。
「群鶏」・・・・凄い!!!!!
「伊藤若冲」・・・・一体、誰?????
なんて読む・・・・「じゃくちゅう」!?
今まで一度も聞いたことのない画家の描いた鶏たちが
赤いトサカと共に頭を揺らし、美しい羽根を誇らしげに闊歩し群がる様は
「絵」ではなく、今まさに「そこに存在している」という錯覚を覚えました。
目を合わそうものなら、その鋭い目と嘴で今にも飛びかかって来る程の迫力でした。
<何だ!これは!!>
<子供達にも見せたい!!>
次の日曜日、家族揃って観に行きました。
36年前のこの日以来、「伊藤若冲」は私の中で
「心揺さぶる画家」として確たる位置を占めています。
今、「若冲」の名は広く知られ、多くのファンがいます。
この「群鶏」をご存知の方も多いかと思います。
機会があれば是非“生”でご覧いただき、
その迫力を味わって頂ければと思います。
「ブックカバー」1日目
5月14日 晴れ
7日間、「ブックカバーチャレンジ」1日目の今日は、
何といっても<<私の人生を大きく変えた本>>として
一番最初に挙げるのは、やはり
山岸凉子の「日出処の天子」以外にあり得ません。
梅原猛氏の「隠された十字架」や
法隆寺の「救世観音」、「日本書紀」をはじめ
古代浪漫への熱い思いが“人形”という<カタチ>で立体化され
3次元の世界へ、マグマの如く突入した瞬間でもありました。
(つい、熱くなってしまいました。お許しを!)
花とゆめCOMICS「日出処の天子」
全1~11巻の中から10巻の表紙
これを見ながら作った最初の作品と
マグマの思い「飛翔」もあわせて、載せさせて頂きました。
(すでに何度か公開していますが、お目障りでなければ見てくださいねっ!!)