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動く人形【球体関節人形】①
4月6日 晴れ
新しい技法に挑戦する時のワクワク感は何物にも代え難く、本当に愉しいものです。
少し時間を戻しますが・・・当時制作していた作品をご紹介致します。
初めて作った【球体関節人形】です。全長50cm(1992~3年頃)
首、肩、肘、腰、膝、手首、足首、主要な関節がすべて自由に動き、多様なポージングが可能
更に、この様な小さな足でも支え(スタンド)無しでしっかり自立します。
今では当たり前のように多くの作家さんが作られていますが
当時は実に画期的で、作家魂を揺さぶる魅力的な技法でした。
「自立して、関節が自由に動く~っ!!」
思わず感嘆の声を上げるほど、完成時は新鮮な感動を覚えました。
「この感動を生徒にも味わってもらいたい!!」
早速、粘土協会の本部教室で特別講習を企画
講師資格を有する生徒に声をかけて希望者を募り、作り方を詳しく伝授しました。
<1994年「ひかりのくに」から出版された「紙ねんど人形」にも
この球体の埋め方をざっくりですが解説しています>
次の時代へ
3月31日 晴れ
粘土人形の世界にもどんどん新しい技法が取り入れられ
驚くほどの速さで進化していきました。
各関節に球体を埋め込み、自由な動きを可能にする「球体関節人形」
縮緬を粘土の表面に貼り、柔らかさと温かみを醸し出す「縮緬貼り人形」
江戸時代から続く技法を取り入れた、膝を曲げて正座する「三つ折れ人形」
液状粘土を鋳型に流し、高温で焼成する磁器人形「ビスクドール」
液状粘土をレースに浸して焼成する磁器人形「レースドール」などなど・・・
すそ野の広がりと共に、各自がそれぞれ自分に合った技法で
【創作人形】という新しいジャンルを確固たるステージへと確立させていきました。
1999年、東京・六本木のストライプハウス美術館で行われた
ドール・フォーラム・ジャパン主催の「新世紀人形展」では
日本のみならず海外からも多くの作家が参加され、多種多様な人形が展示されました。
表現の多様性を目の当たりにし、「人形」が放つ、とてつもないエネルギーに
新時代への突入を直に感じ取ることができました。
そのエネルギーの源となる<情熱>と<探求心>を内包しつつ、
多くの作家が、己を磨き、修練を重ね、切磋琢磨しながら
【創作人形】を更なる高みへと押し上げていきました。
そして・・・
10年後の2009年、東京丸の内オアゾ 丸善本店4Fギャラリーで行われた
ドルスバラード主催、HAZEKIoffice企画の「世界創作人形展」では
再び欧米の人形作家が多数招かれ、日本の作家達との交流で、
言葉の壁を越えて共鳴しあい、理解を深め、「想い」をひとつにすることができました。
これら2つの展示会に参加させていただいたことは、私にとって、学びの多い有意義なものでした。
<それぞれの展示会に発行された冊子>
<海外作家作品のDM>
最後の全国作品展
3月21日 晴れ
出品作品【ディオニュソス】ギリシャ神話より
川﨑裕子人形写真集【夜想曲】掲載作品
1996年、第6回が最後の全国作品展となりました。
初出品した【倭建命】から11年が経過していました。
新大阪の大会場で、全国から集まった沢山の人形を初めて見た時の驚きが思い出され
感慨深く、胸に迫るものがありました。
また、協会本部教室も終了となり、粘土人形黎明期の大きな波を越え
次の時代へと進む新しい変化を肌で感じる事となりました。
大地シリーズ
3月9日 晴れ
「都会の喧騒から遠く離れた母なる大地に想いを寄せるとき、
連綿と受け継がれた生命の歴史に畏敬の念を抱きます。
じっと見続けてきた太陽のように、生命を守りつぐのが女と思うのです。」
1994年刊行「ひかりのくに」出版【紙ねんど人形】より
当時、「ひかりのくに」出版から多数の粘土関係本が発行されていました。
これは、その中の1冊に掲載された作品【落日のナイル】【モロッコの微風】
に添えた私のコメントです。
女性の逞しさ、芯の強さを表現しました。
これら大地シリーズは全て油絵の具を使用しています。
作品のテーマに合わせ、絵の具選びはとても大切だと思っています。
「レリーフ」の背景にはサンドマチエール(画材用の砂)を使用し
絵の具と混ぜ合わせ立体感を持たせました。
油絵の具ならではの試みです。
参考にしていただければ幸いです。
【熱砂】
2月23日 晴れ
固定ポーズ人形の醍醐味を堪能した作品です。
迫力を持たせるために初めて油絵具を使用しました。
【華麗なる誘い】と同じ1994年の同展出品作品です。
嘗てないスピードで、一気に作り上げたのを覚えています。
「ゾーン」に入っていたかも・・・!!