次の時代へ

3月31日 晴れ

粘土人形の世界にもどんどん新しい技法が取り入れられ

驚くほどの速さで進化していきました。

各関節に球体を埋め込み、自由な動きを可能にする「球体関節人形」

縮緬を粘土の表面に貼り、柔らかさと温かみを醸し出す「縮緬貼り人形」

江戸時代から続く技法を取り入れた、膝を曲げて正座する「三つ折れ人形」

液状粘土を鋳型に流し、高温で焼成する磁器人形「ビスクドール」

液状粘土をレースに浸して焼成する磁器人形「レースドール」などなど・・・

すそ野の広がりと共に、各自がそれぞれ自分に合った技法で

【創作人形】という新しいジャンルを確固たるステージへと確立させていきました。

 

1999年、東京・六本木のストライプハウス美術館で行われた

ドール・フォーラム・ジャパン主催の「新世紀人形展」では

日本のみならず海外からも多くの作家が参加され、多種多様な人形が展示されました。

表現の多様性を目の当たりにし、「人形」が放つ、とてつもないエネルギーに

新時代への突入を直に感じ取ることができました。

 

そのエネルギーの源となる<情熱>と<探求心>を内包しつつ、

多くの作家が、己を磨き、修練を重ね、切磋琢磨しながら

【創作人形】を更なる高みへと押し上げていきました。

 

そして・・・

10年後の2009年、東京丸の内オアゾ 丸善本店4Fギャラリーで行われた

ドルスバラード主催、HAZEKIoffice企画の「世界創作人形展」では

再び欧米の人形作家が多数招かれ、日本の作家達との交流で、

言葉の壁を越えて共鳴しあい、理解を深め、「想い」をひとつにすることができました。

これら2つの展示会に参加させていただいたことは、私にとって、学びの多い有意義なものでした。

<それぞれの展示会に発行された冊子>

 

<海外作家作品のDM>

 

 

 

2025年3月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

最後の全国作品展

3月21日 晴れ

出品作品【ディオニュソス】ギリシャ神話より

川﨑裕子人形写真集【夜想曲】掲載作品

 

1996年、第6回が最後の全国作品展となりました。

初出品した【倭建命】から11年が経過していました。

新大阪の大会場で、全国から集まった沢山の人形を初めて見た時の驚きが思い出され

感慨深く、胸に迫るものがありました。

また、協会本部教室も終了となり、粘土人形黎明期の大きな波を越え

次の時代へと進む新しい変化を肌で感じる事となりました。

 

 

2025年3月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

大地シリーズ

3月9日 晴れ

「都会の喧騒から遠く離れた母なる大地に想いを寄せるとき、

連綿と受け継がれた生命の歴史に畏敬の念を抱きます。

じっと見続けてきた太陽のように、生命を守りつぐのが女と思うのです。」

 

 

1994年刊行「ひかりのくに」出版【紙ねんど人形】より

 

当時、「ひかりのくに」出版から多数の粘土関係本が発行されていました。

これは、その中の1冊に掲載された作品【落日のナイル】【モロッコの微風】

に添えた私のコメントです。

女性の逞しさ、芯の強さを表現しました。

 

これら大地シリーズは全て油絵の具を使用しています。

作品のテーマに合わせ、絵の具選びはとても大切だと思っています。

「レリーフ」の背景にはサンドマチエール(画材用の砂)を使用し

絵の具と混ぜ合わせ立体感を持たせました。

油絵の具ならではの試みです。

参考にしていただければ幸いです。

 

2025年3月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

【熱砂】

2月23日  晴れ

固定ポーズ人形の醍醐味を堪能した作品です。

迫力を持たせるために初めて油絵具を使用しました。

【華麗なる誘い】と同じ1994年の同展出品作品です。

嘗てないスピードで、一気に作り上げたのを覚えています。

「ゾーン」に入っていたかも・・・!!

 

2025年2月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

華麗なる誘い

2月14日 晴れ

1994年 個展(松坂屋百貨店)及び協会本部教室展に出品した作品です。

憧れていたギリシャ彫刻、ルネッサンス彫刻の集大成として作りました。

「川﨑裕子人形写真集」【夜想曲】にも掲載させていただいております。

粘土人形時代の私の代表作です。

【厩戸皇子】からあっという間に10年が経っていました。

全く劣化せず、30年経った今も当時のままの姿で静かに佇み

この人形の為に改装された玄関ホールにてお客様をお迎えしているそうです。

作家冥利に尽きます!!

心から感謝申し上げます!!

<2019年 35周年個展時に京都のギャラリーにて撮影>

コレクター様よりご協力をいただき展示致しました。

 

 

2025年2月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

<静>と<動>

2月2日 曇り

1992年に開催された第5回全国作品展では

<静>と<動>を対比させた2作品を出品し、新しい表現を提示しました。

 

【モダンタイムズ】   <静>・・・「静寂」「安らぎ」

無駄をそぎ落とし、シンプルなラインのみで清楚な大人の女性を表現。

モダニズムを意識して作った作品です。

 

【パエトーン】  <動>・・・「動揺」「混乱」

太陽の馬車を制御しきれなくなったパエトーン。ギリシャ神話より

動物(特に暴れ馬)表現の難しさを痛感した作品です。

 

 

 

2025年2月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

転機

1月20日 晴れ

再び大きな転機が訪れました。

ギリシャ彫刻に強い憧れを抱いていた私は

【黙示録】という新作に全力で取り組んでいました。

その作品が、1989年7月、第4回全国作品展で協会会長賞を受賞したのです。

粘土に出会ってちょうど4年半の事でした。

再びカレンダーにも掲載して頂き、広く認知される事となりました。

当時から人形を作っておられる方はきっとご存知かも知れません。

以前SNSでも写真をアップさせていただいたことがありますので、

記憶の片隅に残っていたら嬉しいです。

【黙示録】

受賞後は協会本部教室の講師を若輩ながら拝命し

ご活躍されておられた先輩の諸先生方と共に、粘土人形の普及に力を注いでいくことになりました。

 

 

2025年1月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

インタリオ技法とは

1月7日 (続き)

インタリオとは、イタリア語で「沈み彫り」「陰刻」を意味します。

ギリシャ彫刻などに見られる技法で、瞳の虹彩部分を沈み彫りにします。

影ができ、深みがでます。

例えば・・・こんな感じです。

 

少しハレーションを起こして見えづらいかも知れませんが・・・

(大阪心斎橋ギャラリー出展作品)

 

描き目とは一味違った表情なので、私は好んで使用していました。

参考になりましたら幸いです。

今、作家の間でこの技法が密かに流行っていて、更に進化しているようです。

作品作りに終わりはありませんね。

 

2025年1月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

願いを込めて・・・

1月7日 晴れ

今日は七草粥の日。

早春に芽吹く七草で邪気を払い、疲れた胃を休めて1年の無病息災を祈願します。

皆様にとって良き年となりますように!!

 

さて・・・

昨年末、人形の世界に入るきっかけとなった話をさせていただきました。

もしお目障りでなければ、引き続き懐かしい作品と共に振り返り

作品作りへの一助となれば幸いです。

 

初個展の翌年、4年目となった1988年は

「古代・和」から「洋」に方向を転換した挑戦の1年でした。

 

【スキャンダル】

大都会の一風景をドラマチックに・・・・・スキャンダラスに・・・・・

ニューヨーク・マンハッタンを勝手にイメージしながら作りました。

創作紙粘土協会発行のカレンダーに掲載された作品です。

覚えている方、いらっしゃるかなぁ~???

 

【奔流】(ほんりゅう)

メタリック調に仕上げた彫塑作品。

これも創作紙粘土協会発行のカレンダー掲載作品です。

この作品で初めてインタリオ技法(沈み彫り)を用いました。

以後、彫塑作品には殆どこの技法を使用しています。

<まさか30数年後にこの技法が流行るとは、想像だにしませんでした!!>

 

余談になりますが・・・

この作品は後に(1992年版)、全国の学校関係の美術・工芸カタログ

「彫塑」の表紙にも使用していただきました。

 

 

2025年1月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

謹賀新年

令和7年1月1日

明けましておめでとうございます。

 

2025年1月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko