転機

1月20日 晴れ

再び大きな転機が訪れました。

ギリシャ彫刻に強い憧れを抱いていた私は

【黙示録】という新作に全力で取り組んでいました。

その作品が、1989年7月、第4回全国作品展で協会会長賞を受賞したのです。

粘土に出会ってちょうど4年半の事でした。

再びカレンダーにも掲載して頂き、広く認知される事となりました。

当時から人形を作っておられる方はきっとご存知かも知れません。

以前SNSでも写真をアップさせていただいたことがありますので、

記憶の片隅に残っていたら嬉しいです。

【黙示録】

受賞後は協会本部教室の講師を若輩ながら拝命し

ご活躍されておられた先輩の諸先生方と共に、粘土人形の普及に力を注いでいくことになりました。

 

 

2025年1月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

インタリオ技法とは

1月7日 (続き)

インタリオとは、イタリア語で「沈み彫り」「陰刻」を意味します。

ギリシャ彫刻などに見られる技法で、瞳の虹彩部分を沈み彫りにします。

影ができ、深みがでます。

例えば・・・こんな感じです。

 

少しハレーションを起こして見えづらいかも知れませんが・・・

(大阪心斎橋ギャラリー出展作品)

 

描き目とは一味違った表情なので、私は好んで使用していました。

参考になりましたら幸いです。

今、作家の間でこの技法が密かに流行っていて、更に進化しているようです。

作品作りに終わりはありませんね。

 

2025年1月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

願いを込めて・・・

1月7日 晴れ

今日は七草粥の日。

早春に芽吹く七草で邪気を払い、疲れた胃を休めて1年の無病息災を祈願します。

皆様にとって良き年となりますように!!

 

さて・・・

昨年末、人形の世界に入るきっかけとなった話をさせていただきました。

もしお目障りでなければ、引き続き懐かしい作品と共に振り返り

作品作りへの一助となれば幸いです。

 

初個展の翌年、4年目となった1988年は

「古代・和」から「洋」に方向を転換した挑戦の1年でした。

 

【スキャンダル】

大都会の一風景をドラマチックに・・・・・スキャンダラスに・・・・・

ニューヨーク・マンハッタンを勝手にイメージしながら作りました。

創作紙粘土協会発行のカレンダーに掲載された作品です。

覚えている方、いらっしゃるかなぁ~???

 

【奔流】(ほんりゅう)

メタリック調に仕上げた彫塑作品。

これも創作紙粘土協会発行のカレンダー掲載作品です。

この作品で初めてインタリオ技法(沈み彫り)を用いました。

以後、彫塑作品には殆どこの技法を使用しています。

<まさか30数年後にこの技法が流行るとは、想像だにしませんでした!!>

 

余談になりますが・・・

この作品は後に(1992年版)、全国の学校関係の美術・工芸カタログ

「彫塑」の表紙にも使用していただきました。

 

 

2025年1月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

謹賀新年

令和7年1月1日

明けましておめでとうございます。

 

2025年1月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

作品寄贈

12月28日 晴れ

1987年 初個展後の10月、第5回世界人形会議は

オランダのスヘフェニンゲン(Scheveningen,HOLLAND)で開催されました。

この年のパンフレットには、【ますらを】が他の海外作家作品と一緒に掲載されていて大変驚きました。

 

<右下端に載っていて、ビックリ!!>

再度出展のお誘いを頂いたのですが、2年続けての訪欧にはかなり無理があったので

「和装の女性」(粘土作品)をお送りし、寄贈させていただきました。

後に、世界人形会議の主催者である世界人形協会会長のM.Wanke(バンケ)氏から

ご丁寧な直筆のお手紙をいただきました。

それは今でも大切に保管しています。

 

粘土に出会って今年でちょうど40年。・・・早っつ!!

正に“光陰矢の如し”です。

間もなくこの1年も終わろうとしています。

来年も引き続きよろしくお願い申し上げます。

<<皆様どうか良いお年を!!>>

 

 

2024年12月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

【甦る古代浪漫。】

12月25日 晴れ

第4回世界人形会議(オーストリア・ザルツブルグ)に持参した作品【ますらを】です。

【倭建命】からちょうど1年後の作品になります。

初個展では、松坂屋様の全面的なご協力を賜り、

タイトルを【甦る古代浪漫】とご考案くださるなど、DMにも使用していただきました。

今思えば『日出処の天子』に登場する「毛人」に少しイメージが重なっているようです。

“どハマり”していたのですねぇ~!!(笑)

人形本体の大きさは65㎝くらいだったでしょうか。

他に45㎝くらいの【卑弥呼】も合わせて2点を抱えて行きました。

当時、ヨーロッパへはアラスカ・アンカレッジ経由でしたから

大荷物を持っての大移動は本当に大変でした。

「若かった~っ!!」の一言に尽きます。

 

松坂屋百貨店様に全面協力をいただいた初個展<甦る古代浪漫。>

 

2024年12月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

初個展

12月22日 曇り

帰国後、藤田女史の勧めで個展の話が持ち上がり、

翌1987年3月に自宅近くの京阪くずは駅前、松坂屋百貨店で初個展を開催することになりました。

大変です! あと数か月しかありません。

必死でした!!

何体作ったか覚えていません!!

が・・・なぜか、満ち足りた想いで制作に没頭することができました。

厩戸皇子をモチーフにした【飛翔】はこの時に生まれた作品です。

【厩戸皇子】をモチーフにした【飛翔】

 

<余談ですが・・・>

松坂屋百貨店は今“くずはモール”になっています。

時代は変わって行くのですね~!

 

2024年12月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

海外作家との交流

12月16日 晴れ

幾つかの偶然が重なり、人生は紡がれていくのですね。

家族の絆、人々との出会いも全てが大切な財産です。

 

翌1986年10月、第4回世界人形会議に再び参加することになりました。

この年の開催地はモーツアルトの生誕地、オーストリア・ザルツブルグでした。

今度は作品持参です。

夫、子供達の了承を得て、思い切って海を渡りました。

家族の温かい後押しがあったからこそ・・と、今でも感謝せずにはおれません。

また、世界人形会議と深い繋がりをお持ちのビスクドール作家、藤田女史にも大変お世話になりました。

心から感謝とお礼を申し上げます。

海外作家の素晴らしい作品を目の当たりにし、“まだまだ学ぶべき事が山ほどある”

と気付いた実りある訪欧でした。

 

ヨーロッパ最大級・世界人形会議「M. WANKE」人形展のパンフレット

大きな荷物は人形です。

当時、ヨーロッパへはアラスカ・アンカレッジ経由の大移動でした。

やっとの思いで会場へ到着。早速受付を済ませました。

私のメンバーシップカードです。

参加国の国旗が掲げられた大会場で初日、講演(レクチヤー)が行われました。

 

人形の展示は豪華な宮殿で行われました。

マスコミの報道もありました。

会場にはヨーロッパ中から多くの方々が来られていました。

最終日に行われた海外作家との交流会

人形に対する熱い想いは、国を超えてみんな同じなのだと深い感動を覚えました。

ザルツブルクは本当に美しい街でした。

時間を見つけて街を散策。

映画「サウンドオブミュージック」のロケ地で撮った1枚です。

 

 

 

2024年12月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

新しい世界へ

12月13日 晴れ

【日出処の天子】で人形の虜になった私は、日本古代史にどんどん引き込まれて行きました。

そして半年後、【倭建命】(ヤマトタケルノミコト)で人生が大きく変わる事になったのです。

1985年7月、新大阪で開催された創作紙粘土協会主催 第2回全国作品展に

一般で出品したところ、なんと入選したのです。

全国から集まった数多くの人形を見て、「この様な世界があったのか!」と驚愕しました。

当時、日本に於ける最も大きな創作人形展だったからです。

同時に、新しい世界を知る事となりました。

更に10月、たまたま見た新聞記事で参加を呼び掛けていた世界人形会議(イギリス・ブライトン)

に応募したら、これまた思いがけず、銅メダルを受賞してしまったのです!!

それは、世界中の作家が集まるヨーロッパ最大級の人形展でした。

勿論、各部門がたくさんある中での1部門に過ぎないのですが・・・

ドレスを着た可愛い人形とはテーマを異にする、特異な作品だったからかも知れません。

かくして・・・

【厩戸皇子】【倭建命】に導かれるように人形に世界に入って行く事になったのです。

 

 

 

 

2024年12月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko

あの日から40年!!

12月3日 晴れ

1984年、今からちょうど40年前の今頃(年の瀬)

私は無我夢中で絵筆を動かしていました。

当時、夢中で読んでいた山岸凉子作【日出処の天子】の主人公【厩戸皇子】を粘土で作り

絵の具で色塗りの仕上げをしていたのです。

竹串とめん棒とビニール袋を広げながら、台所のテーブルで・・・

粘土との出会いは、市の広報を見て、たまたま参加した講習会(ビール瓶を使用した簡単な粘土人形)がきっかけでした。

 

薄く伸ばすと布のように、乾燥後は硬く石のように・・・

思いのまま造形が出来、彩色も自在に・・・

なんて楽しい素材なのでしょう!

<人物がムクムクと起き上がってくる!!>

 

粘土の魅力に取りつかれ、独学で一気に作り上げた最初の作品【日出処の天子】が完成しました。

それは正に、私が人形の虜になった瞬間でもありました。

<記念すべき第1作目【日出処の天子】 山岸凉子作・第10巻カバー絵表紙より>

 

あの日から40年。

継続は力なり!!

<ビデオレター>で40年前の自分に伝えてあげたいワ。

「40年後も作家として人形を作り続けていますよ~」

「相変わらず、自分への挑戦、続けていますよ~」

 

懐かしい作品と共に40年の歩みを少しだけ振り返ってみようかと思います。

もしよろしければ、お付き合いくださいませね!!

 

 

2024年12月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yuko