8月4日 晴れ
京都市中京区にある京都国際マンガミュージアム(作家・荒俣宏氏:館長)にて
現在「山岸凉子」の原画展が開催されています。
昨日、ゆっくり時間をかけて、行ってきました。
(館内では海外の方も多く、英語の他に、フランス語やロシア語も聞かれました。)
「山岸凉子」と云えば・・・そう・・「日出処の天子」
厩戸王子(聖徳太子)を主人公にした壮大な歴史漫画の一大傑作です
(2冊、購入 素敵な画集です)
これは、絶対に見逃すわけにはいきません。
なぜなら、これこそが、私の人形作りの原点なのですから・・・。
当時、妹からいつも「厩戸王子・・厩戸王子・・」と連載中のストーリーの“凄さ”を
聞いていて、少なからず興味を持っていました。
そこへ、「読む?」と言って、1巻から纏めて“ど~ん”と貸してくれたのです。
<<<衝撃>>>・・ハマりました!!・・・どっぷりと・・・もう、止まりません!!
その頃、話題になっていた梅原猛氏の「隠された十字架」をはじめ
聖徳太子に関する本を読み漁り、何度も法隆寺に足を運び、
ついには岩波書店の「日本書紀」まで買ってしまうほど、夢中になってしまいました。
(日本書紀って結構おもしろいですよ・・余談ですが・・)
絵の美しさにも魅せられました。
繊細な線から生み出される微妙な心理描写も絶品でした。
そして・・・表紙を見ながら・・・見よう見まねで・・・
「厩戸王子」を一気に作り上げました。
道具など何も持っていません。
あるのは、台所の竹串とめん棒と割り箸とビニール袋・・それだけです。
でも、それで充分でした。
“彼”が立体となって目の前に現れたのですから・・・(思い込みが強すぎかも・・)
その後も夢中で作りました。
ページの隅に小さく載っていた「厩戸王子」を立体化。
人形作りを始めて2年目の展示会で発表した懐かしい作品です。
<すっかり人形作りに魅せられてしまった私>
<もう、誰も止められません>
気が付くと、勝手に手が動いて、粘土から人形が現れる・・・そんな感じでした。
「古事記」から「倭建命」も作りました。
これを機に、今まで知らなかった世界が一気に広がっていったのです。
もし、山岸涼子さんの「日出処の天子」に出会っていなければ
今の私はいなかったかも知れません。
感慨深い思いでミュージアムを出ました。
照り付ける暑い日差しも、騒々しい蝉の声も
私を包み込むようなやさしい温かさに感じられました。